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特発性大腿骨頭壊死
 平成4年から特定疾患治療研究事業団対象疾患の一つとなり、平成6年度の特定疾患の交付数は3500人。2005年度に行った全国疫学調査で、2004年1年間の受診患者数は11400人、男女比はやや男性に多く、年間新患数は2220人と推定されています。確定診断時の年齢のピークは男性では40代、女性では30代であり、約7~8割が両側罹患との報告もあります。

 原因はステロイド性が約50%(原因疾患はSLEが最多)、アルコール性が約30%、両方ありが約3%、その他狭義の特発性が約15%です。発生機序は現在も不明であり、コンパートメント説、脂肪塞栓説、血行障害説(動脈障害、静脈障害)など。遺伝的にはSYP3Aなどが候補遺伝子として注目されています。

 当院においても大学病院という性格上、特発性大腿骨頭壊死の患者さんを比較的多く治療しています。 治療は、Core decompression、骨切り術、骨移植術、人工股関節置換術、関節固定術などがあります。Core decompressionは海外では頻用されますが、本邦では効果が疑問視されているため、ほとんど行われません。また関節固定も現在はほとんど行われません。本邦で最も標準的な治療法は骨切り術と骨移植術と人工関節です。

 当科では、骨移植術は過去に行われていましたが、現在は骨切り術と人工関節の二つの手術方法で治療を行っています。骨切り術にはさらに、骨頭回転骨切りと内反骨切り術の二つの方法があります。大まかに記載すると、壊死が小さく、変形(圧潰)が少ない時には内反骨切り術を選択し、壊死範囲が大きく、変形(圧潰)がやや強いときに骨頭回転骨切り術を選択しています。ただ、年齢(50歳以上)、壊死範囲の大きさや変形(圧潰)の程度がきつい場合は、これらの骨切り術は選択できません。

 一方人工股関節は骨切りが選択できない(50歳以上、変形がきつい、壊死範囲が大きい)時に用いています。つまりfirst choiceは骨切り術です。ただ、これらは画一的に判断するものではなく、入院期間の短長、リハビリの短長、仕事の種類、痛みの程度、その患者の社会生活等も十分考慮に入れ、最終的には患者さんと相談し、最善の方法で治療(手術)を行っています。